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受験英語ではない「相手と向き合う英語」を自分の武器にしたかった

英語で夢を叶える

2018.06.15

英語学習者にはおなじみのバイリンガル新聞「The Japan Times Alpha」。
その11代編集長を務めるのは、2012年に若くして大抜擢された高橋敏之さん。

帰国子女でもなく海外留学経験は1年弱。
史学科だった高橋さんが、活きた英語力を身につけるまで――――

 

「The Japan Times Alpha」第11代編集長 高橋敏之さん


2000年慶應義塾大学文学部史学科卒。
大学入試予備校の英語講師を3年間務めた後、「英語を本当に自分の武器にするため」オーストラリアへ語学留学。その後、日本英語教育協会(現 日本英語検定協会)での英語教材制作を担当した後、2007年ジャパンタイムズ社へ。


 

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英語はもともと好きで、高校までずっと得意教科でした。でも通っていた高校は特に英語に熱心な学校でもなく、年配の先生がDを「デー」と発音するような英語の授業でしたね(笑)

その後、慶應義塾大学文学部に進み、2年になる際史学系を選びました。思えばここで英米文学を専攻しても良かったのですが、当時の自分としては英米文学は帰国子女レベルの方たちが行くところだと思いこんでしまっていたんです。

 

時代は「超超氷河期」
英語を武器にするしかない。

その後不況が進み、私が就職活動をする頃には「氷河期」どころではない「就職超超氷河期」と言われるようになっていました。そんな状況の中で、私の専攻はマニアックな民俗学、さらに卒論は「夜這い」の風習研究(笑)これではとうてい就職に有利なアピールはできないと危機感を持ち、ここはひとつ本気で英語を学習してみようと思ったんです。ちょうど、就職でTOEICの点数が高いと有利になると言われ始めた頃でした。

 

受験英語に違和感を持ち続けた
予備校講師時代。

 

大学卒業後は、大学入試予備校で英語講師になりました。
教えることは好きでしたが、受験英語というものには違和感を持ち続けていましたね。今は状況が少し変わってきていると思いますが、受験英語というのは主に「いかに英語を使えるか」よりも、「いかに分かりにくいところを分かっているか」をテストするものでしたので、そこに疑問を感じていたんです。

 

アメリカンレスラーの
「口げんか」バトルのとりこに。

 

そんな時、予備校の同僚にアメリカンプロレスというものを教えてもらいました。私が本当に英語を好きになったきっかけは、このアメリカンプロレスです。
日本のプロレスを見ている方には信じられないかもしれませんが、アメリカンプロレスというのは、じつはあまり試合をやらないんです。試合よりも、なぜこのレスラーたちが闘うに至ったかという人間ドラマが数週間に渡って放映され、そちらの方も試合と同じくらい盛り上がっているほどです。
2時間の放送枠の中でも、実際に闘っている時間はわずかで、ほとんどはレスラー同士の口げんかの応酬なんですが、口げんかと言っても一流のプロレスラーともなれば観衆を沸かせ、場を盛り上げるための話術がすごいんですよ。そのレスラーの口上を自分で言ってみたくて暗唱していました。
 
こういったアメリカンプロレスネタは予備校でも、実際に使われている生の英語表現として生徒に披露していましたね(笑)
 
そうやって予備校で教えつつも、もちろん英語の勉強は続け、3年間英会話教室にも通っていました。でも「自分の武器は英語」とはっきり言えるようになるにはやはり留学が必要と考え、2003年にオーストラリアに行ったんです。語学留学でしたので、特に選考試験はなく、ビザを取り1年弱滞在しました。
 
当時のオーストラリアは物価が結構安かったのと、私、動物検定3級を持っているくらいの動物好きですから(笑)コアラとかカンガルー、カモノハシを生で見てみたいと思ってオーストラリア(パース)に決めたんです。後に、パースのある西海岸にはコアラが生息していないことが分かりましたが…。

 

◆留学してみていかがでしたか?

 

日本だとどうしてもアウトプットの機会が少なかったので、やはり留学して英語力は伸びましたね。
でも「留学すれば嫌でも話せるようになるんでしょ?」と言う方がいますが、これは大間違いで、留学に行く前にたとえば最低限のリスニング能力が無いと、何を言っているのか聞き取れないまま数か月がムダになると思います。
私は予備校講師でしたので文法の力はあり、そのうえで留学直前にはリスニングの学習に時間をかけましたので、現地でもリスニング能力が相当伸びていることを実感できました。

向こうでは、語学学校の授業以外にも、できるだけ現地の人たちと話すようにしたり、バスに乗ったら騒いでるティーンエイジャーのグループのそばに座り、何を話しているのかじっと聞いたりするようにしました(笑)ティーンの会話って何を言っているのか、聞き取るのが一番難しいですね。

 

旅行代理店で
会話レッスン。

 

あと、あまりおすすめできないんですが…会話の機会を増やそうと、しょっちゅうフライトセンターに行っていました。フライトセンターというのは街のあちこちにあり、航空チケットを買ったりできる簡単な旅行代理店のようなところです。
そこに通い「シドニーに行きたいんですけど…」とか「この時期あちらの気候はどうですか?」などと旅行の予定も無いのに会話練習をしていました。練習ばかりで申し訳なかったので、帰国前、最後に旅行するときにはちゃんとそこでツアーと航空券を手配させていただきました。
 
とにかく、留学中の時間や機会をなるべく有効に使おうとしたので、日本語が聞こえてくるとシャットアウトしたくなるくらいでした。ですので、日本に帰国してからが大変で「こんなに日本語を聞いていたら、英語を忘れてしまうんじゃないか」と耳をふさぎたい気持ちでしたね(笑)
 
その後、また予備校の英語講師を経て、日本英語教育協会(現 日本語英語検定協会)で3年半ほど勤めました。ここでは英語の通信教育教材や『英語情報』という英検の広報誌を作ったりしていました。

 

予備校での経験を、
ジャパンタイムズへ。

 

そのうち自分が企画して思うように発信したいという気持ちが強くなってきまして、たまたまジャパンタイムズ社の「週刊ST」(現「The Japan Times Alpha)で募集があり応募したんです。
そして入社後5年で編集長に就任しました。年齢的にも社歴的にもかなり早かったのですが、ちょうど紙媒体の低迷が言われ始めた頃で、外から入ってきた別の視点をもった若手に任せてみようという機運が高まっていたのだと思います。
 
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私も「週刊ST」で試してみたいことがあり、きっと成功するという自信はありました。
それまでの「週刊ST」は読者に記事を読んでもらいましょうというスタンスでしたが、私はそれに加えて、記事から学んでもらいましょう、というところに一歩踏み込んでみたかったんです。これは予備校での経験が活きていますね。

 

naive(ナイーブ)ってやさしい?
だまされやすい?

 

たとえば、naive(ナイーブ)という言葉が記事に使われていたとします。ナイーブは日本語ではやさしいとか、なんだかいいイメージがありますが、英語ではだまされやすいとか、あまりいいイメージで使われない、というようなことを掘り下げて紹介したいとずっと思っていました。そうすれば一つの記事からもっと色々なことが学べますので。
もともと「ST」は「教材の香りのする新聞」だったんですが、私は「新聞の香りのする教材」として強く打ち出していくことにしました。

 

◆高橋さんご自身の英語勉強法は?

 

英語の勉強は、やめたら力が落ちていくだけなので毎日続けることが大事です。
ある程度英語力がついてきましたので、好きなこと、私の場合は引き続きアメリカンプロレスを見て英語力を磨いています。
 
あとはお笑い系のシチュエーションコメディ(シットコム)ですね。「Friends」、「The Simpsons」、「Two and a Half Men」なんかを観ています。
シットコムは日常が舞台なので、プリズンブレイクとかに比べたらやさしいですよ。特に「Friends」は初級者でも楽しめると思います。シットコムって番組の中に笑い声が入っていますけど、「え? 今なんで笑ったの?」って分からないときは悔しくなるので、聴き取ろうって思いが強くなるんです。
 
ところで、好きなことで学ぶと言っても英語初心者の人に「好きな映画を字幕なしで見て英語を覚えればいいんだよ」とはお勧めしません。それは上級編です。初級者には映画で学ぶのは負担が大きすぎます。
野球でもなんでも、最初は単調な素振りとか、基礎練習をコツコツやる時期が大事ですよね。英語の学習も楽しいことばかりではないです。基礎力をつけて中級レベルになったら、好きなことをして学んでいくのがいいでしょうね。
 
とにかく、まず文法は大事ということを言いたいです。
「文法は一通り学びました」と言う方でも、じつは学校で習って理解しただけという段階にいる方が多い気がします。この段階で「文法はやったのに話せない、やっぱり文法は意味が無い」と判断するのではなく、自分の中で、実際に話すことを想定して文法を頭に入れていくとスピーキング力につながっていくんだと思います。

 

単語を単体で覚えてしまうと、
会話も単語を並べるだけに。

 

ボキャブラリーももちろん大事ですね。リスニングをやるにしても、ボキャブラリーとして自分の中に無い単語を聴いても意味が分かるわけがないですから。

ボキャブラリーを増やす際にも、アウトプットすることを想定してインプットしていかないと、実際の場面で使えなくて困ります。具体的なアウトプット場面―――どういう時に自分はこの単語を使うのか―――を意識してインプットしておかないと、ただ単語をポンポン発するだけの会話になってしまいます。
例文も無いようなスマホの簡易的な辞書や、単語だけ書かれた単語帳を使って学習する方がいますが、単語は必ず例文の中で覚えるべきです。「The Japan Times Alpha」などの記事を読んで、この単語はこういう文脈で使うんだということを学ぶ「実地訓練」を増やしてほしいですね。

 

 

◆具体的に、基礎力を身につけるのにおすすめの教材はありますか?

 

レイモンド・マーフィーさんの「English Grammar in Use」(注:1985年の初版発行以来世界中でベストセラーとなっている英文法書)はすばらしいですね。
この本に載っているのはコミュニケーションを取るための英文法ですから、一昔前の難関大の入試で出ていたような例外的な文法なんて無いんですよ。

 

◆アウトプットの機会を持つには?

 

日本にいるとアウトプットの機会がなかなか持てないですが、一人でも、できるだけアウトプットの機会を増やす工夫をするといいですよ。

たとえば私がよくお勧めしているのは、「The Japan Times Alpha」のトップニュース記事を読んだら、必ず3文程度の英語で要約するという練習。自分の言葉で要約するのが難しければ、こことここが重要なところだと、記事中から見つけてその文章をなぞるだけでもいいんです。
たとえば(注 記事見本を見ながら)、この記事中にある「qualify for~」(=出場権を得る)という熟語ですが、読んで理解するのと、さらに要約文の中でもう1回使ってみるのとでは雲泥の差があるんですよ。
ニュース記事の要約はインプットとアウトプットが同時にできる学習ですね。

 

脳内彼氏(彼女)との英会話を
どんどん発展させる。

 

あとは、妄想で彼氏、彼女をつくっていただいて会話するというのもいいですよ(笑)
私は昔Jennifer という脳内彼女をつくって会話していましたね・・・
 
今は、Mrs. O’Neill(ミセス・オニール)が登場する物語を想定して、その中で英語で話しています。
Mrs.というところが大人な感じですよね(笑)舞台はアメリカの島。オニールさんは旦那さんと別居中。今私は、オニールさんの子どもたちに「うちの隣りになんか面白い日本人のおじさんが越してきたぞ」と受け入れられたところです。あ、奥さんには悪いんですが、もちろん私は独身の想定です(笑)そこで子どもたちと仲良くなり、オニールさんとはお互い好意を抱いていることは分かっているけれど、旦那さんの存在も気になるし……と脳内でまだストーリーが続いているところです。
 
これ、場合によっては紹介するのを止められるところもありますけど大丈夫ですか?
vipabc:大丈夫です(笑)
 

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「ねえ、ちょっと通訳してくれる?」
って言われたら。

 

こういう妄想がすぐには難しい人なら(笑)、「ちょっと通訳してくれる?」って頼まれた場面を想定して話すのもいいですよ。
例えば海外の空港で「ねえ、君は英語が少し話せるらしいね。カバンを無くして困ってる日本人がいるんだけど、こっちに来て通訳してくれない?」と頼まれたとする。そこで、その人のところに駆けつける。「カバンに何が入ってたんですか? どこに置いてたんですか?」とか聞いてそれを通訳してあげるところを想像して英語で話すんですよ。

 

Yahoo知恵袋の英語版は話題の宝庫。
「16歳で61歳の彼氏ができました」

 

あと一つ妄想で話すワザがあります。
Yahoo知恵袋の英語版(Yahoo! Answers)を見て、自分だったらどうアドバイスするかを考えるんです。身近な話題を扱う<Family& Relationships>のようなカテゴリーを見てください。すると「私は16歳なんですが61歳の彼氏ができました。どう思いますか?」のような、一言アドバイスせずにはいられないような質問の宝庫ですから、そこで英語でアドバイスを言ってみると勉強になりますよ。
 
これでもまだ妄想ができない(笑)という方は、今日1日にあった出来事を英語で話してみてください。

 

◆オンライン英会話を活用するとしたら?

 

これはもう「ぶつかり稽古」ですよ。
日頃我々が学習している英語は、最終的には対人コミュニケーションのためのものです。その実戦に至るまでに、相撲で言うと四股(しこ)を踏んで基礎を固め、練習相手とのぶつかり稽古を経て、本番の取り組みに臨めるようになるんですよ。この対人での「ぶつかり稽古」ができるのがオンライン英会話ですね。
以前なら、 外国人の友だちを作って練習させてもらったりと「ぶつかり稽古」の相手探しが大変でしたが、今はその点便利になりましたね。

 

◆英語力を身に付けることでどう変わると思いますか?

 

英語というのは「自分の武器です」と言いやすく、習得しやすいものの一つだと思います。語学っていうのはセンスはほとんど必要ないんです。母国語が話せている以上、コミュニケーションが取れるレベルになる素養は全員が持っているはずです。
 
グローバル化を目指そうだとか、あちこちで多用されている「グローバル」という言葉ですが、つまりは「どの国の人とも仲良くなれる」ということだと思います。それには英語など共通の言語で話し、同じジョークで笑うというような人間どうしの交流があってこそですよね。
「これからはAIが自動翻訳してくれるんでしょ」ってよく言われますが、もしAIにジョークの翻訳までできるようになったとしても、ちょっと遅れて機械の翻訳で笑う人より、リアルタイムで一緒に笑い合える人たちの方が仲良くなれるでしょう。
英語力があれば世界はより広がっていくでしょうし、人生が豊かになることは間違いないと思います。
 
今度の新紙名「The Japan Times Alpha」の「Alpha」には、「最も明るく輝く星」という意味もあります。私たちは英語力を身につけた読者の方の人生が、明るく照らされていくことを願っています。
 
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プロフィール

高橋敏之(たかはし としゆき)
 
週刊英字新聞「The Japan Times Alpha(アルファ)」第11代目編集長。
慶應義塾大学文学部史学科卒。大手予備校英語講師、日本英語教育協会(現在 日本英語検定協会と合併)を経て、2006年ジャパンタイムズ社へ。2012年より現職。
 
2018年7月、「The Japan Times ST」から「The Japan Times Alpha」へリニューアル。持ち歩いていてもよりスタイリッシュに見えるデザインに一新。
本紙を多くの人に知ってもらうため、最新記事の注目単語を解説する人気YouTube動画「ボキャビル・カレッジ」を、編集長自らが企画・出演・編集し毎週公開している。

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