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「<謙虚さ>なんて無意味な、アメリカ、ハーバードビジネススクールの世界」第3回インタビュー(3/6)

英語で夢を叶える

2018.10.24

早稲田大学英語部での
挫折と復活

佐伯先生03
高校卒業後、早稲田大学政治経済学部に進み、英語以外の「何か」を探そうと、いろいろな活動に参加しました。同時に、高校であこがれていた先輩に無理やり勧誘される形で、大学でもWESA(Waseda English Speaking Association:早稲田大学英語部)に入部しました。
その先輩は名ディベーターとして有名になっていましたが、私はそのディベート分野で大きく挫折しました。
大学2年の時、私は周りから大きな期待をかけられ、自他ともに優勝間違いなしと思われていたディベート大会で敗北し、完全に自信を喪失したんです。比較的のんびりした性格の私は、瞬発力が求められるディベートは得意ではありませんでした。

 

一方で、じっくりと構想を練り、発音など英語のデリバリーを磨き上げるスピーチは私の性に合っていました。そこでスピーチに専念し、翌年、部長として全日本学生英語弁論大会で優勝を勝ち取った時、ようやく自分は挫折を乗り越え復活できたんだと実感できました。
結局、英語は私の自信のよりどころだったのです。

佐伯先生03step

大学で目指すべきコアスキルを見つけられず、
政府系の金融機関へ。

大学では政治学科にいましたが、残念ながら強くひかれる進路は見つからずじまいでした。国家公務員、商社、マスコミ、メーカー……どれもピンと来なかったので、まだ絞れないなら日本経済と広く接点があり、多くを学べそうだという理由で選んだのが銀行でした。
政府系金融を選んだのは、当時は世間知らずで「一企業の利益のためには働きたくない」という青臭い気持ちがあったからです。

ハーバードにあった、
「控え目・謙虚」が無意味な世界。

佐伯先生03harvard

入社4年目の英語テストと面接による行内の選考を経て、企業派遣でハーバード大大学院へMBA留学することになりました。
ハーバードビジネススクールはネイティブにとってもハードで有名で、正直怖いという気持ちもありましたが、あえて自分を鍛えようと飛び込んだんです。
留学前のTOEFL(Test of English as a Foreign Language:外国語としての英語能力を測るテスト)や、GMAT(Graduate Management Admission Test:ビジネススクールへの入学を希望する際に課されるテスト)では比較的高得点を取っていましたし、日本では英語力にある程度自信がありましたが、留学してみるとまだまだだと思い知らされました。
英語力の問題以前に、アメリカでは<学ぶ>ということに対する考え方が、日本の大学とはまったく違っていたんです。
違いが一番出るのが、ハーバードビジネススクールの成績の付け方です。評価の半分は「Class Participation:授業中の発言点」です。授業中、議論に貢献するような発言をしないとレポートで満点を取ったとしても50点なんです。レポートで満点なんて取れるわけがないですから、なんとかクラスの議論に参加しない限り落第してしまいます。
日本の大学では大教室で授業を聴いてノートを取り、発言なんかしなくてもテストでいい点が取れればOKというスタイルでやってきましたから、まったく違う世界でしたね。
佐伯先生03talking

ハーバードで有名なのはケーススタディ形式の授業です。
事前にある会社の事例が資料で配られるので、それを各自読み込んでおき「こういう意見を言おう」と準備してクラスに臨む。クラスでは、先生が質問を投げかけるとすぐ一斉に手が上がり、4~5人の生徒が当てられて答える。その繰り返しで90分が終了。
なんとか事前に準備した意見を言えればいいんですが、先生に当てられないこともありますし、たまたま当たったときに説得力がある意見を言うのはとても難しいことでした。
実際のビジネスの世界でも、論が正しい、正しくないではなく「声の大きさ」がものを言いますよね。つまり、自分が正しいんだと相手を説得させる力です。日本人はそこが圧倒的に弱い。日本語でだってできないのに、英語でできるわけがないですよね。
前へ前へと、自分から出ていかないと成功しない世界で、「控えめ」なんていう態度はアメリカ、特にビジネスの世界ではまったく評価されない価値観でした。

「トヨタ? ホンダ?
なぜそんな退屈なところにいるんだ?」

他にも、日本とは価値観が違うと思ったことがあります。
ハーバードのクラスメート達は「大企業で働いていることは恥ずかしい」と言うんです。
たとえば「トヨタに勤めている」と言うと日本では良い印象をもたれると思うんですが、ハーバードビジネススクールの学生達は違いました。大企業で働いている人達に対して「なぜそんなEstablished でBoring(確立しているし、退屈)なところにいるんだ?」と不思議そうにするんです。ましてや私が勤めていた政府系金融なんて「政府系? 公務員になりたいなら川の向こうの学校(ケネディスクールというハーバード大学の公共政策大学院)へ行ったらどうだ?」と首をひねられるありさまでした。
佐伯先生street

世の中を動かす、
変革を起こす力。

佐伯先生03road
たしかに私も、公共のために働くという理想をもって政府系の金融機関を選びましたが、実際に仕事をする中で「世の中を動かしているのはやはり民間」という現実を目の当たりにしていました。アメリカはもっとその意識が強いんです。
でも日本の現状は逆です。政府でできることというのは少ないのに、日本のエリートは官公庁に集まり、ともすれば民間企業の自由な動きを規制する仕組みを作っている、これは本当に大きな損失だと感じます。
向こうのクラスメート達の成功の定義は、大企業に入って安定することではなく、自分で変革を起こして起業すること。“Make a Change(変革を起こせ)”です。 このメンタリティがアメリカを強くしているんだと実感しました。
そういったアメリカビジネス界のダイナミズムに触れたMBA留学は、私にとってつらくもあり、刺激的で楽しくもありました。

 

>>次回 第4回「金融の世界では肉食動物か、肉食の仮面をかぶった草食動物しか生きていけない」(4/6)

 

 

大手ビジネススクール講師(ファイナンス)、「吉祥寺英語教室」主宰 佐伯良隆さん


早稲田大学ESA(英語部)部長として、全日本学生英語弁論大会(J.U.E.L CUP)で優勝。
政府系金融機関勤務時にハーバード大学経営大学院MBAを取得し、ロシア他、諸外国で財務研修を担当。その後、米系投資顧問会社にて金融アナリスト、ファンドマネージャーとして活躍のかたわら、1997年から国内大手ビジネススクールのファイナンスクラスを担当。2010年より小・中・高校生を対象とした「吉祥寺英語教室」を開設、今に至る。
『知っておきたいホントに大事なお金の話』、『決算書分析 超入門』シリーズ等、著書多数。


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